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表現への意欲 ① [羽鳥塾]

 随分昔のことだが、小劇場系のお芝居を観ていた頃、帰路、不思議と元気になっている自分に気づいたことがある。発声に関して言えば、何人かの俳優の怒声は頂けないし、時として何を言っているか分からず閉口したことも多かったが、彼らにはほとばしるような「表現したい!」というエネルギーがあった。

 舞台俳優は観客に「想いを届ける」という原点から見れば、私は小劇場の出演者達から「熱い想い」を受け取り、結果、身内に活力がみなぎったのは事実だ。上手い、下手ではなかった。

 舞台俳優が持っているべきものの一つが「表現への意欲」。「人に訴えかける力」だ。

 「俳優の仕事とは、作家の書いた文体に肉体と声を貸すこと」。35年前、芝居の勉強を始めた頃に教わり、セピア色に色褪せたノートに書かれたこの言葉を、今でも時折読み返す。

 私はこう言い換えて俳優を指導している。「台本に書かれてあることを、力の限りを尽くして客席に届けろ」。「力の限りを尽くして」とは、技術はもちろんだが、俳優の魂の喚起も含んでいる。

 俳優とは「行動する人」である。しかし舞台上で登場人物が淡々と行動しているだけで、果たして観客は感動するか? 「芝居が小さい! もっと大きな芝居をしろ!」は、今でもあちこちの稽古場で演出家が俳優を鍛えている言葉だろう。

 では、どうすれば大きな表現ができるのか。

 一つの考え方がある。

 (次回へ続く)


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